Poor Things

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Penguin Books Ltd
価格: ¥1,101

Poor Thingsのレビュー

Gray入門編?
一種のフランケンシュタインものです。自殺した女性にその胎児の脳を移植した結果生まれた、成熟した体を持った純粋な子供がいかにして19世紀の社会を知り、成長したのか。あるいは、いかにして性的に成熟したのかという物語、と、一面的にまとめることを拒否するあたりがGrayらしい小説です。Lanarkに続けて読みましたが、Lanarkでも見られた過剰さと嗤いがより直接的に表現されていて、Lanarkに比較するとやや軽くて明るめの印象を受けます。このあたりがGrayの入門として勧められている所以なのでしょう。最初からメタフィクション的な仕掛けがあるものの途中まではリラックスして読めます。しかし、最後にすべてを覆す部分があり、フィクションの中の現実すら基盤を失います。まさしくGrayらしさと思われます。そして、登場人物への何ともあたたかく共感的な視点。難解な小説ではありません。Lanarkのように読者を物語に取り込むような小説ではありませんが、その分破綻もなく、読みやすいです。それにしてもどうしてGrayは翻訳されないのでしょう。一定の読者は獲得できると思いますが。